【 人喰い般若 と 月の夜 ②】

3ヶ月後、連絡が來たんです。 その奥さまから・・・・・ 久しぶりに会話するご挨拶が 終わるか終わらないかぐらいで、 懐かしさを感じるほどの 威勢のいい大声で 『主人が消えたのよ  どこにいるか教えて』 と叫ばれました。 そうなった経緯を どういうことなのか よくよくお話しを聞くと・・・。 ちょうど連絡が途絶えたころ、 探偵や色んな調査での結果が出て、 「ご主人は浮気していません」 と報告があり安堵してたそうです。 ではなぜ家を出て行ってしまったのか。 奥さまは安堵しながらも それでも探偵に浮気の調査のまま 素行調査をお願いしていました。 その探偵がご主人を追いかけてたら、 実家であるご主人が住まわれている 古く格式があるような日本家屋。 その家から 「全く一歩も主人が出てこない」 と報告があった。と。 「そんなはずはない!」 と詰め寄っても、 やはり一歩も家から出る姿を 見ていないし、明かりもついていないと。 明かりに関しては 格式ある日本家屋だったので、 目で見えない部分もあるかも知れないけれど、 「そんな訳がない」と奥さま自身が ご主人の実家に向かったそうなんです。 すると。 新聞や郵便は溜まり、 玄関に続く石畳も見えなくなるほど 雑草が伸びていて、確かに人の氣配もない。 と感じたそうなんです。 でも、中に入るのも怖くて そのまま自宅に戻ったそうで そこからそれでも素行調査を進めていたが 何も変わらず。 そこでまた私に依頼があったんです。 「主人がどこにいるのか教えて欲しい」 そして、 「だけど家から出ていないと言うことなので、  もしかしたら中で死んでるかも知れない。  それを視て欲しい。」 年齢は関係ないけれど、 10代で死んでいるかも知れない家の中に 靈視で入り確認する。 度胸と覚悟が必要でしたが、 とにかく何かあったとしたら 大変なので必死に視に行きました。 まず家の門から 「ん 異様なエネルギーがあるぞ・・・」 石畳を経て玄関の中へ 「これは確かに人の波動の形跡が無い・・・」 人は動くたびに波動を起こします。 波動には、人それぞれの癖をがあり、 その波動の癖はその人の家の匂いにもなり、 また、その家を作る『根源の氣』にもなる。 ここは "氣が良い"、"氣が悪い"。 それを感じるのは、 人間誰もが持つ能力の一つ。 「感性」がキャッチして感じるのです。 これは人が住んでいると、 波動は常にアップロードされ、動きます。 ですが、人が住んでいないと そこは止まったかのような流れになります。 動きがないと波動の匂いも薄らいでしまい 残された念だけが漂う家になるんです。 そこでも色んな判断材料になるんです。 そして私は、家の中に波動を感じぬまま 玄関を上がり、廊下を進みリビング、 ダイニングへ。 昔の昭和漂うキッチンの作りや食器棚。 本当に昭和の家。 リビングには大きなこたつ、 テレビなどが置いてある。 「ん  ここにも波動が動いた形跡が遠い。」 リビングから中庭が見える。 その中庭に続く廊下。 廊下に出て違う部屋へと移る。 一歩一歩奥へ奥へ・・・。 「何これ何の匂いだろう」 何かが腐ったような、 いや、発酵しているような なんとも言えない嗅い。 嗅いだことのない強い異臭・・・。 現場に居ないのに、 靈視している魂を通じて 私の肉体側が氣持ち悪くなり、 倒れそうになりながら 意識を整え靈視は続いた。 奥へ奥へ奥へと進んだ。 時にして夜、 月明かりが部屋の中に射しこんでいた。 よくアニメや時代劇の 修羅場のシーンなどで見る光景。 まさしくそのような光景を 目の当たりにした。 歩みを進める中で、中庭を囲んで ロの字に廊下は続いていて、 その中でも月明かりが一番入る部屋。 障子が閉められている。 だけど、そこで私は止まった。 「間違いない。  ここに強い靈魂と異臭を感じる。  ここだ・・・。」 障子を開けるのにとても勇氣がいった。 強い靈魂だけではない、 視たことも感じたこともない そんな強い靈力を感じ、 それが何なのか皆目見当も つかない状況で障子越しに 対峙しているのがわかったからだ。 どちらも静かにその時を過ごした。 まるで月の光が差し込む光の音。 耳に聞こえない周波数。 それすらまるで心臓の音のように耳に響く。 忘れもしないそんな感覚だった。 私一人しかいない。 覚悟を持つしかない。 夢ではなく現実に目の前に起きている。 これから修羅場が來るだろうことは 簡単に予想できた。 あの時色んなことを考え頭を巡らせた。 なのでいつも私を守ってくれて 力を貸してくれている 神々や武人たちを呼び、 戦闘態勢に入った。 修羅場の前の嵐の前の静けさ。 海の凪。 そんな状態の中、 緊迫して覚悟を決めて障子を開けた。 =======明日③へと続く======= 愛と感謝と祈りを込めて Succla☆